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NARD JAPAN ナード アロマアドバイザーコース レッスン9

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先日、ナードのアロマアドバイザーコース1月生がスタートいたしました。本日はレッスン9のレポートです。

NARD JAPAN ナードのアロマアドバイザーコースとは

NARD JAPANのアロマアドバイザーコースは、日々の生活の中で精油を安全且つ適切に使えるようになることを目的として設計されたコースです。

安全なアロマテラピーを実践するために知識や理論を学び、実践を重ねます。今日は体の痛みや炎症について学ぶレッスン9へと進みました。

筋・骨格系のアロマ

痛み・炎症へのアプローチ

痛みや炎症は身体からのサインと言いますね。日常によく起こる健康リスクであり、なんらかの痛みや炎症が起きるといったことを体験したことがないという方はまずいないのではないでしょうか。

本来、身体は炎症を起こさずともあらゆる処理を行えるはずではありますが、なかなかそれは言うに難しなところがあります。

身体には何かトラブルが起こるという「揺らぎ」があります。身体の組織(細胞)がなんらかの理由で傷つく場面がある。それがひとつの「揺らぎ」とするなら、この身体に起こる「揺らぎ」を身体が適切にホメオスタシスの仕組みを持って処理するならば、そこには炎症もなければ病気も起こらない状態です。

けれど炎症が起きるということは、身体にトラブルが起こり、それが揺らぎとしてジャッジされ、それを処理するために免疫細胞さんたちが出動するわけですが、その際に治すための作業が必要以上にかかってしまっている状態ともいえます。(なんか変な文章になりましたごめんなさい。。)

これもホメオスタシス。炎症が起きようが起きまいが、ホメオスタシスの力によってこれらは為されていきます。

炎症が起きれば、そこでは起きた原因となるものがお掃除され、そして新しいものに置き換わって、やがて収束していく一連の流れを辿る中でいわゆる炎症の4主徴(5主徴)が引き起こります。

この4主徴(または5主徴)がつらいのですよね。4主徴は調べてみたのですが、なんと約2000年も前から唱えられているそうです。紀元前ですよ。すごいですね。4主徴とは発赤、発熱、主徴、疼痛。その後ローマ時代のお医者様であるガレンが機能障害(機能喪失)を加えて5主徴となったようです。

痛みも炎症も非常に奥が深いですが、まずはその触りからこのレッスン回で学んでいきたいと思います。

痛み・炎症は身体からのサイン

まずは「痛みとは?」という定義から考えてまいります。国際疼痛学会によると「痛みは、実質的または潜在的な組織損傷に結びつく、あるいはこのような損傷を表す言葉を使って述べられる不快な感覚・情動体験である」と定義されているそうです。

痛みって感覚だけでなく情動体験であると定義されているんですね。この文言を初めて見たときに、個人的に結構斬新だったし納得もした記憶があります。

痛みって、感覚的なものなので感じ方にも個人差があります。いやそれすら曖昧かもしれません。お互いの痛みの度合いをはかるものさしがないのだから、比べようがないですよね。

「腕をぶつけて痛い」と言っても、Aさんが感じる痛みの度合いと、Bさんが感じる痛みの度合いはきっと違うので、人に自分自身の痛みによる辛さを全く同じように共感してもらうのはとても難しいことです。

自分がつらい時に人にそれを理解してもらえないことってかなりの精神的苦痛となる方は少なくないはず。

人の身体って精巧に、且つシンプルにできていますが、心ってとても複雑です。複雑というより複雑にするのが好きな傾向にあるという方が適切な気もいたします。

身体に起きているシンプルな状態だけでなく、そこに心で感じるものがくっついてくると事態はこじれてシンプルではなくなっていきます。

私たちが症状や病気というものを考えるときは、症状や病気だけを眺めるのではなく、その人自身を全体として捉え関わって行かなければ理論だけでなんとかなるものではないということをいつも感じるのです。

そして、この章ではさらに痛みの分類や炎症について考えてまいりました。痛みの分類は色々分け方はあるかと思いますが、ここでは侵害受容性疼痛と神経障害性疼痛について、また心因性疼痛についてみていきます。さらに補足で中枢性疼痛についても今回は少しお話をしました。

このレッスン9は一応筋・骨格系がテーマになる章なので、筋・骨格系の基礎知識も簡単になぞりながら進みます。炎症自体は当たり前ですが筋・骨格系だけでに起きるものではないので、さらなる視野の広さが必要です。

筋・骨格系のお勉強も面白いんですけれどね。ここでは簡単にだけお話をして、次に進んでまいりました。

メタボリックシンドローム

次のカテゴリではメタボリックシンドロームについて学びます。

メタボリックシンドロームといえば、内臓脂肪。メタボの病態形成には、脂肪組織が大きく関わっていると言われています。個人的にメタボの数値的な基準にはあまり興味がありませんが、脂肪組織から起こる炎症反応、これには個人的にも非常に関心があります。内臓脂肪とは腸間膜に蓄積する脂肪で、横から見るとお腹ぽっこりちゃんに見える脂肪ですね。

肥満の何が悪いのかって、よく動脈硬化や糖尿病など色々な病気が懸念されると思いますが、そもそもが病気云々というよりも肥満は炎症に関わるんですね。私はこの身体の眺め方は結構大事ではないかと個人的には思うのですがー病気と捉えるか炎症と捉えるか。

病気は炎症が起こり得る場のエラーの蓄積によって起こるひとつの結果だと思いますし、だから炎症は「病気」ではないですよね。ひとつの現象であり、そしてその炎症という現象は免疫系が作動することによって起こります。

今回のレッスンでは起きた炎症や痛みに対してどうアロマで対処できるかということが一番大きなテーマなので少し話は逸れるのですが、健康と病気の予防というものを考える時には、いかに炎症が起きない体の場作りを考えていくかということが何より大事だと思う次第です。この話についてはまた別の機会に。

ひとつこの話の中でアロマを絡めるテーマを挙げるとするなら、予防的に狙う抗炎症作用でしょうか。

メタボリックシンドロームが問題視されるのは、肥満の脂肪組織では炎症が起きていることがわかっており、すなわちそれは肥満状態では、全身に軽度な慢性炎症の状態があるということです。肥満というのは、ただ脂肪細胞が増え、また脂肪細胞が大きく膨らんでいるというだけではなくその細胞の中で様々な変化が起こっているのですね。

脂肪組織には実質細胞(実際の脂肪細胞)と間質細胞(実質細胞の周りにあり、その臓器の機能を担当していないその他色々な細胞さん。免疫細胞や血管内皮細胞など)がありますが、間質細胞のひとつである免疫細胞のマクロファージさんは、仕事があると判断するとぴかーんと活性化します。活性化したマクロファージさんはTNF-αやILといった炎症性サイトカインや、一酸化窒素(NO)をはじめとする炎症メディエーターを放出します。(脂肪組織には炎症惹起型M1と炎症抑制型M2など性質の異なるマクロファージが存在し,マクロファージの極性や活性化状態が脂肪組織炎症を調節することが指摘されているそうですが、ここでは割愛します)

それと同時に炎症性サイトカインであるアディポネクチンは減少することもわかっているそうです。マクロファージが脂肪細胞の炎症性サイトカインを刺激してさらに脂肪分解が促進され遊離脂肪酸が出てきて、それがまたマクロファージを活性化するというように、「炎症を進めるサイクルはまわるけれど、抗炎症性のものは足りません!!」というような、どう考えてもバランスが取れないですよね。

そりゃ、炎症が酷くなり病気にまで発展してしまうようなイメージはなんとなくできると思うのです。これは完全に体の機能と構造のサイクルが崩れている状態と言えるのではないかと思います。

なので、今現段階ではただちょっと太っているだけで明らかな病態はそこにはない、と思える段階であっても、アロマの抗炎症作用を用いてケアすることは確かにできなくはなさそうな気はします。

けれど、私は個人的にはこれも対症療法というか、だからアロマすごいね!っていう短絡的な考えにはあんまり至れないところがあるのですが。一応アロマの先生だし、アロマの講座なのでそういうこともお伝えはしますが、まず大事なのは過剰に肥大している脂肪細胞ではアンナチュラルな状態が起きているということと、そのメカニズムなどを知ることだと思います。そこまでもこのレッスンの中ではまだ詳しいことを話すところまではなかなか至りませんが、炎症性物質を放出するんだなぁくらいのところをまずはおさえていけると、次の学習にも繋がっていくのではないかと思います。

で、健康を考えるのであればアロマよりも食生活など先にそちらの見直しをするべきだと思います。運動と食事についてもテキストにはちょっぴり載っているのでそちらもなぞっていきました^^でも、もっと運動の仕方や食べ物、喫煙については別でお勉強した方がいいと思います。足りない^^

食事のところでは消化吸収ということで消化器のことについても少し触れてありますが、こちらも簡単に紹介する程度となっていますので、もっとお勉強は深めていけるといいなぁと思う単元ですね!消化も面白いから!

精油学

炎症・痛みケアのための精油学として今回は以下4種類を学びます。

  • ユーカリ・レモン
  • レモングラス
  • リトセア
  • バジル

成分でいうとテルペン系アルデヒド類とフェノールメチルエーテル類ですね!筋肉痛などのケアには?と問いかけると、私自身もレモングラスやユーカリ・レモンは頭に一番にぱっと浮かぶ精油たちです。

抗炎症作用抜群。スポーツマッサージなどにも重宝する精油ではないでしょうか。香り的には虫除けって感じがします^^夏の蚊対策にもよく使う精油ちゃんたちですね。リトセアとレモングラスはよく似た香りをしていますが、この香りが好きな方なら痛みに寄る精神的なつらさの緩和にも役立ててもらうことができるのではないかと思います。

香りの好みがかなり分かれる精油ですので、その辺りの注意事項などもお伝えをしました。

バジルもまた独特な香りを持つ精油で、一般的にはあまり出てこない精油かと思います。使い方にも注意が多少必要ですので、頻繁に使うというよりはここぞというときにお手当として使う出番の多い精油かと思います。

バジル、そしてフェノールメチルエーテル類の一番の特徴は鎮痙攣作用と言われます。消化器系にもよく働きかけてくれる精油ですので、胃痙攣などにも使えると思います。

クラフト実習:痛み・炎症緩和クリーム

クラフト実習は痛みケアのためのクリーム作りでした。クリームといっても今回使用する基材はシアバターでしたので、作り方は簡単。シアバターに選んだ精油を混ぜていくだけで完成です。

あとは混ぜ込む精油の選定ですね。それぞれに肩こりや使いたい箇所への考察を入れながらレシピを組んでいきます。脂肪の話書きすぎてここに書けていませんが、痛みのケアについてはもっと色々講座の中で話をしていまして、痛みのコントロールって傷ついた部分の修復をすることによるケアと、もうひとつが脳で受け取る痛みの情報のコントロールとあります。

痛みに直接効かせる!という作用から選ぶのももちろん一つなのですが、冒頭でも話したように人の心と身体ってそんな単純なことではなく、心が伴うことによって複雑になっていることがあります。

心というべきか、脳というべきか難しいところですが、特に痛みのケアを実際に活用するとなると臨床アロマでは、実はユーカリレモンなどの精油より、ラベンダーやカモミールローマンなどが使われていることが多いようなのです。

それが意味することは、精神的な部分への働きかけから痛みの閾値を上げていくということです。良い香りを用いることで病床に伏せる患者さんや子どもたちの痛みやそれに伴う苦痛をかなり和らげることができることがわかっているようです。

そのあたりについても色々とお話をしたので、心地よく感じる香りをデザインするということも、ひとつのレシピの作り方として大事な要素になることもあるかもしれませんね^^

痛みと一言で言っても本当に奥が深いですが、私たちの命となかなか切り離すことのできないテーマですので、また改めて学びを深めていただけるととても嬉しく思います。

ナードのアロマ・アドバイザーコースは随時募集しておりますが、お早めにお問い合わせいただけると幸いです。

次回スタート枠もまた募集してまいりますので、スタートされたい方はお気軽にお問い合わせください。

できるだけ生徒様のご都合にも合わせることができるようご相談にも乗っています。

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(*一部、実習のみオフラインにて受講が必要です。詳しくはお問い合わせください)

アロマテラピーは役立ち、またとても暮らしを豊かにしてくれます。

香りを楽しむ心の余裕が持てると素敵なライフスタイルですね。

次回もお楽しみに!

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さら

香り師®︎の育成・プロデュースを行う。香り師®︎創始。 アロマテラピー、コンサルティング、タイムマネジメントなど総括して指導。依存せず自立した人たちが尊重し合える社会を創ることが目標。 【違いがあることはpositive】 時々二脊の娘のことも綴ります。 ※企業研修、セミナーご依頼等は別途お問い合わせください。

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